酒蔵を旅した気になる。

続・にっぽん蔵々紀行 (光文社文庫)

続・にっぽん蔵々紀行 (光文社文庫)

酒を呑みながら気分よく読了・・・。って書いていたのに、消えてしまったので気分悪く再び書き直している(笑)。
この本(後編)は、25もの都府県の酒蔵を旅する旅行記。1つの県につき、基本的に2つの蔵を巡る形になっている。俺の場合、この本を1週間で読み終えたから、だいたい1日に3・4県分を読んだ事になる。どうでもいい事だけど、ちょっと調べたところ、1県につき15ページで、これを20分弱で読んでいた(ホントどうでもいい)。
各地の蔵について、それぞれ歴史があり、伝説があり、志があって、とにかく面白かったのだが、中でもやはり地元愛媛について書かれている部分は、目から鱗のところもあって、特に興味深く読ませてもらった。ちょっと面白かったところを書いてみる。

伊予松山といえば夏目漱石の『坊ちゃん』だが、そもそもあの小説の諧謔(かいぎゃく)そのものが、松山という地の度し難い田舎くささを抜きにしては成立しない。
(雪雀を呑んで)なるほど、これが伊予の底力か。田舎であり続けるためには、田舎であることで満たされるほどの圧倒的な豊かさが必要なのである(この酒のように)。

いやはや、愛媛を圧倒的な『田舎』呼ばわりするところが、この人、心得てますよ(笑)。各都道府県を巡って書かれているので、その土地土地に住む人にとって楽しめそうな内容満載だった。酒好きにはもちろんだけどね(笑)。