日本酒についての本①

自分は日本酒が好きで、それ自体の味はもちろんだけど、日本酒の歴史とか、作り手の酒造りに対する思いなんかにも興味があるんだけど、今まで日本酒について書かれた本を読んだ事が無かったので、今回まとめて4冊ほど買ってみた。
で、早速読んでみたのがこれ。

うまい日本酒はどこにある?

うまい日本酒はどこにある?

これは以前BS2の『週刊ブックレビュー』という番組で、どこぞのおっさんがお気に入りの本2冊目ぐらいで紹介してたのを見て、ちょっと気になったので買ってみた。
読み終わってみると、久しぶりにあまりパッとしない本を読んだという感じだった。15年ぐらい前に書かれた『夏子の酒』という漫画を、今更ノンフィクションに仕立て直しただけという感じで、半分ぐらい読んだところでよっぽどもう読むの止めようかと思ったけど、全部読みもしないのに批判するのはフェアじゃないと思うので、とりあえず全部読んだ。
もう、ほぼ同じ話しの漫画『夏子の酒』を以前読んでいただけに、今更蔵を回ってこんな話しをしてるのか?と思うようなわざとらしささえ感じる話しもあって、なんだかげんなりした気になった。あと、他に気になったのは、大メーカーもいい酒を造ると持ち上げてはみたものの、最後のほうでは、自分の行きつけの酒屋には大メーカーの酒は1品(料理酒)しか置いてないと言って、それがさもすばらしい事のように宣伝しているではないか!他にも、焼酎批判は本意ではないし焼酎の現場を詳しく取材したわけではないと断っておきながら、その3倍・4倍返しぐらいの焼酎批判を書き連ねている。ワイン党に至っては、「ソムリエ気取りの、鼻持ちならんワイン党は・・・(中略)・・・あの、のさばりようは何なのだ?どうにも合点がいかぬ。」(P139)とまで言ってのける始末。この人の言っている事にさえ胡散臭さを感じた。
とまあ、気に触る事が多い内容だったが、やっぱり最後まで読んでみるものですね。終わりのほうに書かれていた『若者が日本酒を飲まない理由』というところは、なるほどなぁと思いながら興味深く読めた。これが唯一の救いでしたな。
この本を読むなら『夏子の酒』を読むことをおすすめする。