猫の帰還

猫の帰還

猫の帰還

1940年春。空軍パイロット、ジェフリーの出征に伴い、妻のフローリーは飼い猫ロード・ゴートを連れて田舎に疎開した。だが田舎の家になじめないロード・ゴートは、不思議な第六感に導かれ、ジェフリーを求めて旅を始めた。転々と居場所が変わる主人を追って、猫は、さまざまな人に出会い、飼われながら旅を続けていく。夫の戦死に絶望する若い未亡人、軍隊こそわが居場所だと誇る軍曹、住み慣れた古い街が空襲で炎上し途方に暮れる老人、黒猫は幸運を運んでくれると固く信じる若い兵士…戦争によって変わってしまった普通の人々の暮らし、その苦しみと、厳しい日々にも挫けない勇気とが、猫の旅を通して鮮やかに浮かび上がる。そしてジェフリーもまた、「戦争という暗いトンネル」の中で、変わってしまっていた。だが、最後にただ一つ変わらなかったものは…?イギリスの戦争文学の第一人者ウェストールが描く、忘れがたい印象を残す物語。

これも最高でした。
猫の大冒険はまさに壮絶。第2次大戦の真っ只中で、なんとか生き延びようとする猫の姿には胸を打たれる。首輪が外れたのは残念だったけど、猫本人にとっては大した問題じゃなかったのかな。目的は達せられたのだから。
ウチの猫たちには、あんなに勇敢に生きていく強さはないだろうな〜(苦笑)。実はこっそり秘めてたりして(笑)。
トミーとの話しで描かれているウィンピーの描写は、「ブラッカムの爆撃機」を読んだ後だったのでイメージしやすかった。
ウェストールを3冊続けて読んだけど、この3冊なら、弟の戦争→ブラッカムの爆撃機→猫の帰還の順番で読むと良さそうかな。他の作品もいづれ読んでいこうと思う。