読了

それから (新潮文庫)

それから (新潮文庫)

あら?この発売日はどういうことだろう?ま、いっか。
いや〜、なんとも素晴らしい本でした!そして、今更ながら夏目漱石の偉大さに気付いた小生でした(苦笑)。漱石や稲造がお札になるのも納得ですね。樋口さんの作品には、まだ触れたことが無いので分かりませんが・・・。
それはそうと、「それから」を読み終えて、それから?って感じなわけですが、その辺は自分で考えろ!ということですかね〜。それともこの流れは「門」に続くのか?とりあえず次を読みます。
本の中でおもわず付箋を貼った部分をメモ。

「そいつは面白い。大いに面白い。僕みた様に局部に当って、現実と悪闘しているものは、そんな事を考える余裕がない。日本が貧弱だって、弱虫だって、働らいてるうちは、忘れているからね。世の中が堕落したって、世の中の堕落に気が付かないで、その中に活動するんだからね。君の様な暇人から見れば日本の貧乏や、僕等の堕落が気になるかも知れないが、それはこの社会に用のない傍観者にして始めて口にすべき事だ。つまり自分の顔を鏡で見る余裕があるから、そうなるんだ。忙しい時は、自分の顔の事なんか、誰だって忘れているじゃないか」

これの前後の議論は面白かった。代助はどうも「世の中を斜めに見る会」ですね(笑)。そういう代助の考えについて、平岡の言ったこの言葉が、なんだか自分に言われている様な気がしてハッとした。暇だからいろんな事考えて世の中を斜めに見てしまうんだな〜。なるほどね〜。
とにかく、この本は俺のベスト5には入ったな。またいつか読み返す必要アリ。