読了。

「新しい人」の方へ

「新しい人」の方へ

大江健三郎2冊目。この本は『「自分の木」の下で』の第2弾として書かれた本です。
前作から引き続き、若い人たちはこれからの世界、どのように生きていくべきか、どういう人になっていって欲しいかということを切々と語られている。
ウソを付くのはよくないことだ。ウソをつかない力を鍛えよう。意地悪なエネルギー(イジメや、人をうらやむ、人に嫉妬するというような事)は何も生み出さない。人の言葉を伝える時は正しく伝える。などなど。これらは全て当たり前のことなんだけど、当たり前のことが当たり前に行われない今のこの世の中、当たり前のことを訴え続ける著者のような存在が必要なんだと思った。
この本は他にも、大江健三郎の自伝としても読めるし、読書法や文章の書き方を紹介している本というふうにも読める。「子供のためのカラマーゾフ」や「本をゆっくり読む法」は、なるほどな〜と思いながら読んだ。
しかしさすがはノーベル賞作家やな、小・中学生の頃から、ドストエフスキーやダンテ、シェイクスピアガリレオ・ガリレイなどなど・・・。やっぱり読んでる本が違うわ。っていうか、物を書くような人たちはこれぐらいは当たり前なんだろうか?今の自分がこんなの読んだとして、果たして良さが分かるだろうか・・・。